実験

実験ノートの書き方【フローチャート】

 

学生実験の予習で「実験手順のフローチャートをノートに書け」というのがよくあるが、いきなり書けと言われてもよくわからない…。
そんな、初めてフローチャートを書く理系の学生さん向けにフローチャートの書き方を紹介します。

 

実験ノートとは

そもそも実験ノートとは何か?
実験ノートとは実験の過程や結果を記しておくものであり、実験ノートを書くことは、

①自分がどの段階でどのような研究結果を得ていたのかを客観的に示し、後々のデータの整理や論文作成に役立てる。

②不正がないことを証明する。

したがって鉛筆やシャープペンでなく、消えないペンで書くことが基本である。間違いも書いてOKなので、間違ったところはバツ印で消す。

ノートは汚くてもよいので得られたデータは必ず実験ノートに書き、清書したければ後から別のページに書き直す。

 

実験ノートの項目例

〇実験前〇

参考文献(印刷して貼り付けても良い)

文献情報や、文献の再現実験をする場合には文献上の収率などをメモする。

実験の目的

No.〇〇の実験の再現実験」など何のための実験かを書いておくと後々便利である。

実験計画

反応式や、用いる試薬、反応に関する質量とモル数(必要であれば沸点なども)を計算して書いておく。使用する試薬の性質や器具の扱い方についても調べて書いておくとよい。

実験手順

手順を視覚的にわかりやすくフローチャートにまとめる。

〇実験中〇

実験の観察結果

色やにおい、実験中に気づいたことは後々どんな役に立つかわからないのでできるだけ細かくメモをしておく。日付や時刻も忘れないこと。

〇実験後〇

得られたデータやそれを示した計算結果。

データに関する考察。

 

次にフローチャートを使った実験手順の書き方について紹介する。

 

実験手順の書き方【フローチャート】

実験をする学生ならば、実験手順をフローチャートにまとめることが求められる。ここでは化学実験における実験ノートの書き方を紹介するが、物理学や生物学の実験でも応用できるはずだ。

ポイント

フローチャートとは「□」や「ー」などの記号を用いて手順を視覚的に説明したものである。実験においてはノートだけを見て実験ができるように手順をフローチャートにすることが大切だ

 

スチレンのラジカル重合を例に実験手順の書き方を示す。

まず、一番上に反応スキーム・用いる試薬を書き、傍に試薬や反応物の分子量(FW.)や沸点(b.p.)、液体の場合は密度(d.)も調べて書いておく。
溶媒は沸点のみで十分である。

実験ノートの書き方の例(フローチャート)

 

ノートの左側に実験手順のフローチャートを書く。

1.「□」の中に手順を書き、「―」で繋ぐ
2.用いる原料や試薬の重量や物質量(モル数)も計算して書いておく
3.途中で加える物質は「←」で加える量がわかるように横に書く
4.使用する実験器具や、温度、時間などを書く

ノートの右側は空けておき、実験の開始時間や終了時間、重量の測定結果や、実験の様子など、実験中のメモを書く。

 

まとめ

学生実験で必須であるフローチャートの書き方を紹介しました。

慣れるまでは面倒に思えますが、やはりフローチャートは視覚的でわかりやすく、実験をスムーズに行う上で大切なものです。

自分にしっくりくる実験ノートの書き方を探してみてください。

 

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